2017年、夏。

2017年夏が終わった。

もう9月も半ば、当たり前だ。何を今さら、と思うだろう。二人セゾンがなんだか心にしみるこの秋という季節に夏を振り返るのは野暮なことかもしれない。が、今回だけはどうか見逃してほしい。
 
今年の夏は、例年に比べて雨の日が多かったためか、何をしても体の芯から汗が噴き出てくる、そんな毎日を送ることもなく、"暑い"という印象はそれほど感じられない夏だったように思う。しかし、それ以上に"熱い"夏だった。印象深い思い出がたくさんできた。印象深い経験がたくさんできた。思い返したときに頭に浮かぶ率直な感想は、「めっちゃオタクした」だ。そもそも"適度なオタク活動"がモットーの私は今まで、ひと月に一回、良くても二回程度しかオタク活動をしてこなかった。これは私が学生時代、労働があまりにも嫌いすぎて生活するのに最低限の収入を得られる程度しかアルバイトに時間を割いてこなかったことに起因する。だが今年度から私も晴れて社会人になり、良くも悪くも金銭的余裕ができるようになってしまった。その結果、休日に暇とお金を持て余した私が例年よりたくさんオタク活動を執り行うことになるのは、あるいは当然の帰結と言うべきなのかもしれない。あとは、そう、単純にオタクの知り合いが増えて現場に行きやすくなったことも大きいかな。とまぁ余計な前置きはこの辺にして、このクソ熱かった夏を、欅坂46を追っかけた夏を、試みに振り返ってみようと思う。
 
 
<2017年7月22日> 欅共和国2017 1日目
私の"2017年夏"のスタートは、やはりこの日だと言えるだろう。欅共和国2017。1stアルバム発売を記念して、富士急ハイランドで開催される野外初ワンマンライブだ。このライブへの期待感は正直尋常ではなかった。なぜなら、ガッツリ欅坂46のライブを見るのが去年の年末の有明ワンマン以来およそ半年ぶりだったからだ。また、ライブの何日か前には1stアルバムリリース、さらにその何日か前には今泉3ヶ月ぶりグリーティングカード更新。1stアルバム発売記念ライブということで俄然高まる新曲披露への期待、そして...。今思うとなんて早計なんだとなるけれど。期待せずにはいられなかった。グリーティングカードなんて更新されたら・・・期待しちゃうよ(´._.`)
ライブの内容については、正直期待外れというか、肩透かしを食らったというか。こっちは1曲目からアルバムの新曲が来ると思っていたから。まさかサイレントマジョリティーから始まり世界には愛しかない、二人セゾンと連続でシングルをやってくるとは思わなくて。二人セゾンが終わったあたりで薄々「あ〜はいはい、そういう感じね」と何となくこのライブの位置付けを察してしまい、わりと萎えてしまったのが正直なところ。こっちが勝手に早とちりしていたのが悪いけど、集客のためとはいえ思わせぶりなことをチラつかせるのはあかんよ〜ケヤカス運営〜ケヤカス運営氏〜〜。セットリストもあまり曲順の意図とかが感じられず、う〜んって感じだった。それでも個々の楽曲のパフォーマンス自体の成熟度は増してたし、そこに関しては申し分なかったな(オタク特有の上から目線)アンコールの「誰のことを一番 愛してる?」には驚いた。元々坂道っぽい欅っぽい楽曲だと思ってたけど完全に自分たちのものにしててスゴかった。でもこの曲の振り入れするなら新曲の振り入れを一曲でも多くやってほしか(ry。そして何と言っても圧巻だったのがラストの「不協和音」。私はあの、世に評判高い1周年記念ライブの「不協和音」を生で見れていない側の人間なので、それと比較することはできないけど、あの日のベストアクトはと聞かれたら間違いなく「不協和音」と答えるだろう。それくらいの衝撃、昂揚感、鼓動の高鳴りを味わった。それまでにライブに対して抱えていた不満を吹き飛ばし、関東の奥地にまで行った甲斐があったとさえ思わせてくれるようなパワーを感じた。
元々欅共和国は1日目しか行くつもりがなかったんだけど、2日目の当日券が取れると聞いて1日目終演後に一応悩んでみて、結局様々な要素を考慮して2日目は不参加を決意した。2日目はオーラスで「危なっかしい計画」を初披露したようだけど、自分の選択に後悔はない。見栄やプライドの鎖に繋がれたようなつまらないマウント取りたがりオタクは置いてゆけ。
 
 
<2017年8月5,6日> TIF2017 Day 2, 3
Tokyo Idol Festival 2017。言わずと知れた女性アイドルイベントの総本山。今年はその2日目と3日目に参加した。ちなみに去年は欅坂46が出たけど当時鬼のような金欠につき不参加。家のベッドでTLを更新しながら楽しそうにサイレントマジョリティーを踊るオタクの動画を歯痒い表情で見つめていたのが懐かしい。今年は、当初の予定では欅坂46が出る2日目しか行くつもりなかったのだが、乃木坂46の3期生が出ると聞いて結局3日目もチケットを購入してしまった。完全に秋元康に振り回されている。一生秋元康の奴隷である。
 
欅坂46の話をする前に全般的総括の方を。
 
Day 2
AKB48 16期研究生→欅坂46ベイビーレイズJAPAN虹のコンキスタドール神宿AKB48 16期研究生→わーすた→STU48→BiSH→HKT48
 
個人的ベストアクトランキング
第1位 AKB48 16期研究生@HEAT GARAGE
第2位 虹のコンキスタドール@SMILE GARDEN
第3位 HKT48@HOT STAGE
 
 
Day 3
SKE48→NGT48→Party Rockets GT山口活性学園→ひめきゅんフルーツ缶→虹のコンキスタドールAKB48 Team8→AKB48 Team8→PASSPO☆→SUPER☆GIRLS→まねきケチャ乃木坂46 3期生
 
個人的ベストアクトランキング
第1位 乃木坂46 3期生@HOT STAGE
第2位 NGT48@HOT STAGE
第3位 AKB48 Team8@SMILE GARDEN
 
 
偉いアイドルは巷に数あれど、やはり自分は秋元康の奴隷であると改めて実感させられた2日間だった。2日間で嫌という程ポニシュを見させられたけれど、それでもあのイントロの切なくも美しいピアノの旋律が流れ始めるとパブロフの犬がごとく勝手に体が反応してデカい声を出す体勢を整えようとしちゃうんだよね。飼い慣らされてるよなぁ。まぁええか、 「ずっと ずっと」はアケカスが誇る珠玉のmasterpieceやし。
 
 
そして、TIFの欅坂46の話...個人的にはあまり良くなかった。Overture後、一曲目は危なっかしい計画で、今回が自分にとって初の"危なっかしい"だったのでイントロの一音目聴いた瞬間に全身の血が一斉にケヤケヤした感覚は今でも残っている。ただ、ニュースにもなってたように、ところどころでモニターに抜かれる平手が目に見えて異様な雰囲気を醸し出していて。ずっと頭は垂れっぱなしだし、ダンスもまともに踊れてないし。それでいて周りのメンバーは至って正常運転で。まるでメンバーには平手が見えていないかのような。そのポジションだけ最初からポッカリ穴が空いてるかのような。その光景が違和感ありすぎて待望の初"危なっかしい"だったけどまともに盛り上がれなかったのが正直なところ。TIFの前に始まった全国ツアーでの異常事態は聞いてたけど、そのリアルな様子をTIFで垣間見て色々と考えさせられてしまった。結局、欅坂46がデビューして一年半近く駆け抜けてきた中でずっと課題点として言われ続けてたことが解決されぬまま顕在化したのが今年の夏だったんじゃないかな、と思う。平手が崩れたらグループとしてのライブパフォーマンスはどうなるのか。他のメンバーはどう対応するのが正解なのか。そもそもそういったことを踏まえてこれからも平手ワントップ制でいくべきなのか。グループが異常なスピードで肥大化していく中で生まれた歪みを少しずつ正していくのが今後の至上命題なのではないか、と思う。
 
 
<2017年8月12日> RIJ2017 Day 4
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017。毎年行ってるイベントで、自分の中で夏といえばこれだったので、今年も行けてよかった。CDJ16/17に引き続き参加日は、欅坂46が出る日にした。当日は、朝早く起きて特急で茨城へ。あのクソデカいGRASS STAGEに欅坂46が立つという時点で既にエモくて道中からずっとケヤケヤ...失礼、ソワソワしていた。
欅坂46はGRASS STAGEのトップバッター。最前近くでの圧縮リスクを回避して少し後ろ目の機材テントあたりで観覧。今回はTIFや全国ツアーとは違ってオーディエンスのほとんどがアイドル畑外の人ということでアウェーの地で絶対失敗はできないうえ前週のTIFのことがあって不安に思ってたけど、結果的にはそれは杞憂だった。まず、セットリストが、ロック畑でのライブってことも踏まえて、完全に勝ちに来てたのが良かった。今の欅坂46がフェスで見せられる全てが詰まってたと思う。平手も調子は悪くなさそうで、全体のまとまりもよかった。メンバーのパフォーマンスからも勝負かけてる感じがヒシヒシと伝わってきた。ラストの不協和音まで息つけないままあっという間の時間だった。あと、久しぶりにステージ全体を一望できる場所で見れて、フォーメーションの移り変わりとかを再確認できたりして、それも楽しかった。「結局平手次第やんw」みたいにはなったけど、ライブ後にオタクと飲んだビールは格別で、「勝利の美酒に酔いしれるとはこのことか」となった。勝利したのはオタクではないのにね。
余談だけど大トリのRADWIMPS、中高時代の通学時間のお供だったRADWIMPSを初めて生で見れて深く感動してしまった。おしゃかしゃまのイントロでマジでデカい声出してしまったの恥ずかしい。
 
 
<2017年8月29,30日> 全国ツアー2017幕張公演両日
8月最終週。破竹の夏休み10連休のちょうど中日。このクソ熱い夏の総決算(フレーズ擦りすぎ)。見せてくれ欅坂46、最高のエンターテイメントってヤツを。教えてくれ欅坂46、お前たちが最高のグループだってことを。
 
 
8/29。幕張公演1日目。全国ツアーが終わったらしばらく現場予定がなかったので思い残すことがないよう気合いもひとしおに入れて幕張メッセへ向かう。ペンライト、OK 。推しタオル、OK 。チケット、OK 。アルコール、OK 。準備は万端。後はケヤつくだけ。FlashlightからのOvertureの流れ、今回初めて見たけど、アレがもうスタンダードになっちゃったのかな。まぁいいんだけど。イキりすぎとちゃう?とは思う。まぁいいんだけど。で、その後からは本編。アルバム新曲中心の構成。欅共和国からずっと待ち望んでた新曲のパフォーマンス。余談。聴覚から拾える情報量が常人より圧倒的に少ないのか分からないが、俺は自慢じゃないけどライブパフォーマンスやMVを見て視覚から情報を収集しないと曲の印象をまともに捉えることができない。曲の輪郭がボヤボヤしてしまう。だからこそ今回新曲パフォーマンスを見ることがとても楽しみだった。新鮮な気持ちでずっとワクワクしながら見ていたと思う。そして、そのときは突然やってきた。ライブ中盤、ユニット曲コーナーの途中、猫の名前のパフォーマンスが終わった後だったと思う。加藤史帆と佐々木久美が捌け、ステージに残った菅井と守屋のMCが始まる。そこで菅井から発せられた「私たちがずっと待ち望んでたあの曲です」みたいなMC。まさかとは思った。しかし、俺は欅共和国で散々"アルバム新曲やりますよ"感を煽られた挙句蓋を開けてみたらアルバム新曲披露なしという酷い仕打ちをつい1ヶ月前に受けている。今回は信じていいのだろうか?またお得意の思わせぶりなやつじゃないのか?どうなんだ?どっちなんだ?助けて、推しメン............そして鳴り響くあのイントロ。ピアノとストリングスで始まるイントロ。毎朝、毎夜、通勤時間に何度も聴いてきた曲、"夏の花は向日葵だけじゃない"。幕張公演1日目の中盤、このタイミングで愛すべき推しメン、今泉佑唯が4ヶ月ぶりにステージ復帰を果たした。そこからは動揺のあまりただただステージを見つめ続けてしまっていたと思う。多分終始口開きっぱなしでアホヅラ晒してたと思う。このタイミングでの復帰は全く予想してなかった。blt graphのインタビューで紙面復帰は既に果たしていたからそう遠くない未来だとは思ってたけど。ツアー中に復帰するとしても千秋楽のアンコールとかかと思ってたから。戻ってきてくれて本当によかった。blt graphのインタビューでも休養中色々思うところがあったように語ってたけど、こうしてまた姿を見せてくれたのが何よりも嬉しかったな。今泉佑唯、一番好きなSunflowerです。そして、アンコールで再登場したんだけど、その後の曲もまた良くて。久しぶりの21人でのサイレントマジョリティーを見られたり。平手鈴本今泉の並びの盤石感がやっぱりこの曲には欠かせないなって。Twitterで散々言われてたことだけど、二人セゾンの「君は突然僕のイアホン外した」のときのゆいちゃんずが揃ったのも感慨深かった。ゆいちゃんずのパフォーマンス、また早く見たいな。
 
 
8/30。幕張2日目。そして全国ツアー千秋楽。前日に優勝(2016年のTwitter)していたため、ほぼ勝利を確信した状態でライブに臨むことができた。
今までのツアーでのセトリから言って中身はほぼ昨日と変わらないだろうけど、新曲のパフォーマンスまた改めて見たいしってことで、期待値高めで臨んだ。案の定本編はほぼ同じだったので、割愛。それでも改めてここのパフォーマンスは〜ここの演出は〜って感じで見直すことができてかなり満足できた。そして問題のWアンコール。アンコールまででWアンコールでできそうな曲はもう使い果たしてたし何の曲やるんだろう?と疑問に思ってたらまさかの自分の棺が始まって度肝を抜かれた。めっちゃゴリゴリに演出するやん、Wアンコールされる読みWアンコール、賛否両論だろうなぁと思いながら見てた。僕は否定派。アンコールってあくまでオーディエンス起点のものであるべきだと思うし。それをあらかじめセトリに組み込んで予定調和にしちゃうのは違うかなって。まぁ新曲見れたからどうでもいいのですが。そして中身はというと、平手の表情がもう怖かった。これに尽きる。この一ヶ月の間に溜め込んだドス黒い感情を全て外に放出しているかのような。今にも消えてしまうんじゃないか、辞めないで〜、とか思ってしまうほどに、曲に入り込んでた。そして、最後の不協和音。今までのツアーの評判を全てゼロに還してしまうかのような、圧巻のパフォーマンスだったと思う。リリース当初は決して評判が良かったとは言えなかったこの曲だけど、ライブの評価を左右するほどの存在感を発揮する曲に化けて感動した。あと、平手友梨奈、マジで何モンだよ。間違いなく過去イチの不協和音、ありがとうございました。ただ、これからのライブが、不協和音やるかどうか、または、不協和音の出来次第で、ライブの評価も大きく変わってしまいそうで、そこはどうにかしてほしい。結局、前述した課題とグループがどう向き合うか、だよね。
 
 
2日間通じて他に見てて良かったなって思った曲を何個か...
①少女には戻れない
サトシめっちゃ綺麗やん...ってなったし、石森のパフォーマンスの凄みも感じたし、見直した(オタク特有の上から目線)
 
②猫の名前
ニャーニャーみたいなコールをオタクに求める守屋鬼だなと思いつつもめっちゃ楽しかったし、加藤史帆の評価がめちゃめちゃ上がったのもこの曲。
 
③沈黙した恋人よ
そもそもピアノイントロって時点で既に偉い。オタクピアノイントロ好きがち。加藤史帆の歌い出しやべ〜。みんなちゃんと歌唱として成立してるのもすごいよなぁ。あと、どっかのタイミングでモニターに抜かれた齊藤京子の謎の表情がなんかウケた。
 
④君をもう探さない
ライブ見る前はなんかボヤボヤした曲って感じで自分の中で上手く捉えきれていなかったけど、ライブで化けた曲だと思う。突然モニターに全身ビショビショの平手が映ったのはなんかウケたけど。今ではかなり好きな曲。
 
⑤誰よりも高く跳べ!
元々好きだったけどどうしても書きたいので。一番沸いた曲かも。誇張なく一番会場で盛り上がってたのこの曲じゃなかった?気のせいかな?イントロの爽快感が好きすぎる。この曲はメンバーとファンで徐々に無敵の沸き曲に育て上げていった感じがしてすごい良いよね。まぁひらがなの全国ツアー参戦ゼロの俺が何言ってんだって話なのですが...ひらがな...良いよなぁ...
 
 
 
 
 
以上、合計6日程。色々なところに行って色々なことを感じることができた、良い夏だった。推しメン不在なのによくこんなにオタクしたな、俺...。推しメンは好きだし、欅坂46というグループも好きだってことが実感できた夏だったしそういう意味でも良かったのかな。か〜っ、オタク辞めらんねぇ〜〜〜。
今後の現場の予定は一切ないので、しばらくの間はTwitterに隠居(存在しない日本語)かな。
 
それでは、またオタクさんたちと欅坂46に乾杯できる日が来るのを願って...
 
 
終わり